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執筆者の写真ホリスティックカレッジ

消化と吸収を助ける「ヨガ的な食事」⑫【by 平田ホリスティック教育財団 理事 丸元康生】


 五感を通しておいしい刺激を受け取っていると、「食事をした」という動作が脳にきちんと伝わって、消化器がフル稼働する態勢が整えられます。

 テレビやスマホに意識を向けながら食事をした時には、脳から消化器にうまく刺激が伝わらず、栄養素の消化吸収が進みません。

 それについて、いろいろとお話ししてきました。ここで一度、まとめておきましょう。



 おいしい刺激によって、唾液の分泌が促されます。それに連動して、胃酸の分泌も促されます。ながら食いだと、唾液も胃酸も分泌量が激減してしまいます。








 胃酸が十分に分泌されていれば、消化酵素のペプシンがたくさんつくられ、切れ味も良くなります(=消化能力が高い)。ながら食いだと、ペプシンの数が少なく、個々の消化能力も劣ります。







 胃の中でペプシンが十分に働いてくれないと、いろいろな栄養素の吸収ペースが落ちてしまいます。一例として、鉄の吸収が妨げられることをお話ししました。








 胃の中で消化された食べものが次に向かう場所が十二指腸です。胃酸が足りなかった場合、ここでセクレチンというホルモンが十分に分泌されません。その結果、どうなるかというと……







 セクレチンはpHの調節にかかわっているので、十二指腸に流れ込む消化液のpHが変わってきます。胃酸の分泌が十分であれば強アルカリ、不十分だと弱アルカリの消化液が十二指腸に注がれることになります。それがどんな違いを生むかというと……






 小腸で働く消化酵素の能力が劇的に変わります。この酵素たちは、7~8くらいのpHでもっとも活発に働きます。強アルカリの消化液によって胃酸をうまく中和してあげないと、彼らの能力を最大限に引き出せないのです。






 まとめますと、おいしい刺激に意識を合わせて食べれば、胃でも小腸でも消化酵素にとって最適の環境を整えることができますが、ながら食べをしていると、自分でそのチャンスをつぶしていることになります。

 それを踏まえて、次回からは食事の際の意識の持ち方について、さらに歩を進めていきましょう。

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