top of page

消化と吸収を助ける「ヨガ的な食事」㉜【by 平田ホリスティック教育財団 理事 丸元康生】



 一応このブログのタイトルは「ヨガ的な食事」なので、たまにはヨガのことも書いておきましょう。


 「厳しいけどむちゃくちゃ元気になるヨガ教室」に通っていたことは、以前お話ししました。その教室での大事なイベントの1つが、伊豆の山の中で行うリトリートでした。だいたい2泊3日で、瞑想やアーサナ(ヨガのポーズですね)の時間もありますが、最大の目的は「腸をきれいにすること」でした。

 ヨガでは、病気は腸から起こると考えられていて、腸の汚れをお掃除して浄化する技がたくさんあります。そのありったけのノウハウが詰め込まれた3日間でした。

 特殊な機械を使って腸内の汚れを洗い流す腸洗浄セラピーがありますが、それを自分でやっているようなものです。

 効果は歴然で、リトリートに行くとみんなピカピカになりました。普段は「ぜんぜんオーラのない人」でも、内から光があふれ出たかのように輝いて見えたものです。


 ヨガと同じルーツを持つアーユルヴェーダでも、健康のカギになると考えられていたのは、腸です。食べたものをうまく消化し切れないと、腸の中で毒素になり、それが万病の元になるとされています。


 『すべての病気は腸から始まる』

と名言を残したのは、医学の父として知られるヒポクラテスですね。

 この元ネタは、おそらくアーユルヴェーダの教えなのでしょう。

 ヒポクラテスはペルシャを訪れた際に、アーユルヴェーダを学ぶ機会があったようです。

 ちなみに、ヒポクラテスは今から2500年ほど前の人で、アーユルヴェーダには約5000年の歴史があります。


 実は栄養療法でも、「すべての病気は腸から始まる」と考えられています。

 このあたりをシドニー・ベイカー医博(米国コネチカット州)は次のように語っています。

 「私は臨床医ですが、自分の仕事はテニスコートの清掃係に似ていると思っています。

 人間の腸の内側の表面積は、ちょうどテニスコートくらいの広さがあります。私には、患者さんが汚れたテニスコートのように見えるのです。初診の患者さんを目の前にすると、『あぁ、またドロドロのテニスコートさんがいらっしゃったな』と思ってしまいます。

 私の仕事はひたすら腸をきれいにすることです。私のクリニックにはいろいろな症状を抱えた患者さんがいらっしゃいます。いくつもの病院を訪ねて、病気の原因がみつからなかった方も多いです。

 どなたがいらしても、私がやることは腸のお掃除。それだけで、皆さん健康を回復していくのです」

 すべての病気が腸から始まることは、5000年前から知られていました。それが正しかったことを、最新の科学が再確認し始めています。


 そのとても大切な消化と腸について、次回から解説していきましょう。




 人の腸壁の表面積は、テニスコート(約250m²)くらいだと考えられていたのですが、実際はバドミントンコートの半分(約30m²)くらいのようだと、スウェーデンの研究チームから2014年に報告されています。

閲覧数:210回
bottom of page