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消化と吸収を助ける「ヨガ的な食事」⑯【by 平田ホリスティック教育財団 理事 丸元康生】


「五感を通しておいしい刺激をしっかり受け取る」のは、とっても大切。

 そのタイミングも重要です。

 食事の途中にふと思い出して、「そうだ。よく味わって食べよう」では、遅いのです。一口目の箸をつける前に、頭の中をおいしい刺激で一杯にしてください。

 「さぁ~、これからおいしいものを食べられるぞ~」と脳が感じると、消化にかかわる臓器にすぐさま指令が送られます。実際に食べ物を口にする前に、唾液、胃酸、消化酵素を準備万端に整えることができます。しっかりスタンバイさせた状態で食事を始めたかどうかが、栄養素の吸収に大きな影響を与えることになるのです。

 たとえば、炭火で焼かれている焼き鳥から立ち上る香り。

 焼きたてのパンの香り。

 じんわりと炒めたニンニクの香り。

 こうした食欲をそそる香りを感じたら、意識して香りに集中しましょう。そのままの流れで食事を心から楽しめば、体内の消化酵素も存分に働いてくれるはずです。

 おいしい刺激は、インスリンの分泌も促します。食べる前から刺激を受け取っていれば、インスリンの初動が早いので、食後の血糖値のシャープな上昇を抑えるのにも役立ちます。

 ここでまた、生徒さんが書いてくれた文章をご紹介してみます。

「『消化』は食事をする前から始まっています。子供の頃、学校からの帰り道でどこかの家から晩御飯のいい香りがしてきて思わずお腹が鳴った経験はありませんか?美味しそうな匂いを嗅いだだけで、家に帰ったら待っているお母さんや晩御飯を想像して、体は『食べる習慣』を始めています。そして美味しそうな料理を目にした時、その彩や香り、美味しい味、全てが消化を促進する要素となるでしょう」

 「消化にいい食べ方」は、決して難しいものではありません。子どものころは、みんな普通にできていたのではないでしょうか。

 夢中で遊びまくっていて、ふと気づけば腹ペコだったころを思いだしてみてください。「今の自分はぜんぜん違う、食事時になっても食欲がわかない、全然ワクワクしない」という感じなら、問題ですね。

 もし、いつも間食をしているなら、それが原因かもしれません。食事から時間があくと血糖値をうまくコントロールできず、低血糖的な症状が出てしまう方は、適度に間食を摂った方がいいです。そうでない方は、意味のない間食を惰性で摂っていないかチェックしてみましょう。


 ストレスを紛らわせるための甘いおやつが習慣になっていないか。

 特におなかが空いているわけでもないのに、一緒にいる相手に合わせて食べていないか。

 会計するレジの横にスナックがあると、ついつい買い食いしていないか。

 必要のない間食のせいで食欲がわかないなら、まずキチンとおなかを空かせて、ワクワクして食事を始める感覚を取り戻してください、 

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