世界のどこの国の書店に立ち寄っても、必ず見かけるのは、ダイエット本の陳列棚です。
ダイエットと聞けば、女性ならすぐに響く、「痩せて美しくなりたい」という願望は、万国共通の話題です。
しかし、ダイエット(DIET)という言葉は、痩せるだけが目的ではありません。
本来、欧米では、生活習慣病と言われる糖尿病、高血圧をはじめ、がんという重篤な病でさえも、食生活を見直すことで、予防や克服することができる栄養療法(食事やサプリメント)全般を指して、ダイエット法と呼ばれています。
つまり、「痩せる」ということは、健康に導く栄養療法の結果ということになります。
さて、私たち人間の組成は、確かに約99.8%は同じです。しかし、十人十色という言葉があるように、残りの約0.2%が、大きな違いを生み出しています。
そのたった2%は、「体質」という生理学的な違いと、「食習慣」という、今まで何を主として、食べてきたのか、ということから、その違いが生まれています。
では、この“違い”とは、どこから来たものなのでしょうか?
親の代から、遺伝的に受け継いだ体質をみれば、うちの家系は、大酒のみだとか、肥満傾向だとか、がん家系とか、様々な体質の違いが浮き彫りにされます。
例えば、私はビールをコップ半分だけ飲んでも、すぐに顔が赤くなり、一人で飲んだようになってしまいます。でも、読者の皆さんの中には、ビールをコップ1杯どころか、大びん1本飲み干しても、平気な顔でいられる方も、多いのではないでしょうか?
また、「私は、そんなに食べないのに、すぐに太ってしまうのに、○○さんは、食べる割に太らないなんて・・・・なんと割に合わない」という経験はないですか?
このような違いを見れば、ダイエット法も「全ての人に同じやり方が通じるわけではない」ということについて、首を縦に振って頂けると思います。
これらの違いが何であるか? どのような可能性があるのか?
食物の消化、吸収、代謝に焦点を当てて、同じ食事をしても、人によって上手く消化出来ないために、身体に良いと言われる栄養素も、かえって悪いものになってしまうリスクを考えなくてはなりません。
幼少の頃から食べていた物や、好き嫌いのある食材の対象になったり、親の代からの食習慣に照らし合わせると、実に面白いことが見えてきます。今話題の「酵素」についても、個人の体質によって異なり、その活性力が、正に活力(エネルギー)の良し悪しを決めているからです。
「栄養療法は、薬の処方と異なり、個人の生化学的特性を見極めなくてはならない」
このハードルにチャレンジするためには、ボディタイプ別ダイエット法が参考になります。
ボディタイプ別の考え方は、長年にわたり、国は違えども、多くの文化圏で取り入れられた統計学を基盤としたものです。古代エジプト時代に始まり、インド伝承医学「アユールベーダ」の中でも取り入れられ、体型分類(ソマトタイプ)も含めると、多くの文献にも記載されています。
このコンセプトを支持して、タイプ別に食事、及びサプリメント指導をおこないます。
特に強調しておきたいことがあります。
私たち個人は、極めてユニークな存在であり、誰一人として、同じ人はいないということです。更にいえば、毎日食べているものも異なり、考えていることも違えば、同じあなたであっても、昨日のあなたと今日のあなた全く違う存在なのです。
ホリスティック栄養学では、「私たち人間は常にプロセス(過程)にある」と言われます。
言い換えれば、完成されたものではなく、常に変わり続けている存在ということです。
それは、私たちの身体の中にある100兆の細胞が、常に入れ代わっているからです。
仮に今日、悪い細胞があっても、明日は、良くなる可能性を秘めています。
また、今日、良い細胞であっても、明日は悪さをする細胞に変わる可能性も秘めています。
それは、私たちの日々の暮らしを振り返れば、毎日異なった食べ物を口にして、様々なストレスに曝されながら過ごしていれば、身体の中は、一瞬として同じ状態にないことがわかるはずです。
さて、悩むところは、「どんな食生活が、私にとってベストな選択なのか?」ということでしょう。そのためには、自分のボディタイプを知って、大まかな地図を手にしてください。
地図があれば、その方向に進むことが出来ます。
自分自身の傾向を知ることにより、確実にその場所にたどり着くことも可能になります。
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