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「今までの心の習慣では、人生を変えることはできない」【by 平田ホリスティック教育財団 理事長:平田進一郎】

更新日:2023年3月3日


今からちょうど25年前、1998年2月、父の会社が倒産し、私は、38歳の時に、人生が一変したことで、従来の心の習慣では、上手くいかないことに気づかされました。


人は、一日のうち、6万から7万回の思考を繰り出すと言われています。

そして、それらの思考の下には、ある種の感情が伴っています。


しかし、その90%以上は、昨日、又はそれ以前の心と、ほとんど変わらないようです。


「マンネリ化」という言葉があります。

心の世界でも、仕事や遊び、そして対人関係においても、あらゆる物事の対処方法について、私たちは、自動的な心で操作されていることが多々あります。


マンネリ化された心の働きとでも言いましょうか・・・

結果的には、一つ一つの言動が、無意識に発せられているという意味になります。


実は、その基盤になっているのが、潜在意識です。

潜在意識は、過去の経験を通じて、ある出来事に遭遇したとき、その出来事を、どのように受け止めて、どのような思考や感情を生み出してきたか、で決まっていきます。


何故なら、同じような経験を積み重ねると、その反応は自動化されて、習慣となり、自分という人間を形成していくからです。


次に同じような場面に遭遇しても、その反応は、繰り返されます。


初めのうちは、違和感だと気づいていても、その感情が繰り返されると、やがて麻痺していきます。


ある種の出来事に遭遇して、「怒り」「恐怖」「嫉妬」を感じたことが、繰り返されると、人は、常に同じような状況に出くわすと、同じような「怒り」「恐怖」「嫉妬」の気性が芽生えて、やがて、性格(人格)形成に移行していきます。


無論、その逆に、「喜び」「感動」「感謝」を感じることが、繰り返されれば、それも性格形成に影響することは確かなことです。


私の経験の一つをお話すれば、子供の頃に、蜂に刺されたことや、ネズミに追いかけられたことで、今でも、蜂や、ネズミのような小動物には、「恐怖心」を感じてしまいます。


経済的には、90年代の後半に、会社経営に参画していた時期があり、「資金繰りの恐怖」というトラウマを経験しました。


それは、毎月の中頃と月末が近づくと、支払いのための資金調達をしないと、会社が倒産するという状況になり、「お金が足りなくなる、支払いが滞る」という恐怖心が、毎月のように、植えつけられました。


恐らく、読者の中にも、病気の診断に対してショックを受けたことや、人間関係の問題で悩まされたこと等、多かれ少なかれ、何かのトラウマを抱えている方は、多いはずです。


誰にでも経験のあるトラウマ(心的外傷)が、自動的な思考を導いていることに気が付きませんか?


これは、有名なパブロフの犬と同じで、ある種の経験と、それに対する反応を繰り返すと、条件反射的に振る舞ってしまう心の作用があるということです。

同じような状況に遭遇すると、無意識のまま、自動的に同じ思考を繰り返しています。


先に触れたように、目の覚めている間は、90%以上の習慣的な思考=自動操縦で、生活しているとすれば、私たちは、過去の経験を基盤に生きていることになります。


そうであれば、新しいことへの挑戦や、人生を変えようとすること自体、難しいと言わざるを得ません。


大病や、経済的な破綻、人間関係の崩壊等、何か大きな出来事を経験し、挫折したり、苦しんだりした後に、環境が大幅に変わったことで、良い方向に転換したという話は、よく耳にします。


それは、その出来事がきっかけで、環境が変わり、今までの自分という習慣を打ち破り、新しい自分を構築し始めたことによる恩恵だと思います。


例えば、犯罪者が更生するプロセスも同じです。

昨年は、刑法犯で検挙された人のうち、再犯者の割合を示す「再犯者率」は49・1%だったとあります。


これは、コロナ禍で職がないという理由で、過去最高と言われていますが、ポジティブに考えれば、半分以上(若干)の人は、過去の自分という習慣を打ち破り、新しい自分を構築し始めていることも示しています。


何かを変えようと欲するならば、今までの心の習慣を変えることが、極めて大事であると、学ばせてもらいました。


では、どうするのか? 


今までの自分の思考習慣、自動的に生まれる感情や思考を知ることから始めたいと思います。

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