栄養素には、つなぎ目があります。
それをスパッと切るのが消化です。
今回は、「つなぎ目を切る方法」について考えてみましょう。
お料理しているうちに、勝手にプチプチ切れていくのかというと……
切れてくれません。ただの1つも。
熱を加えたくらいでは、栄養素のつなぎ目は切れません。
たとえば、お米に含まれているでんぷん。
お米を炊いて、ふっくら柔らかいごはんになっても、でんぷんは最初のかたちのままです。つなぎ目はびくともしません。
「消化にいい」と言われるおかゆはどうでしょう。
ごはん粒が溶けかけている感じなので、少しは消化が進んでいるように思えるかもしれません。でも実際には、まったく消化(=つなぎ目のカット)されていません。
ごはん粒がもっとトロトロになった中華がゆでも、消化の進行はゼロ。
とにかく、いくら熱を加えてとろけさせても、消化はできないのです。
では、その中華がゆをフードプロセッサーに入れて、ガ~ッとピューレ状にしたら……。
それでも消化は一歩も進みません。
どんなに細かく切り刻んでも、刃物では栄養素のつなぎ目を切ることができません。
栄養素のつなぎ目を切るためには、消化酵素が必要になります。
消化酵素は、特注のハサミのようなものだと考えてください。
それぞれの栄養素には、担当のハサミが決まっています。
でんぷんだけを切る専門のハサミがいて、タンパク質を切るには別のハサミがいります。担当以外のハサミで代用はできません。
基本的に、栄養素のつなぎ目を切ることができるのは、消化酵素だけです。
ですから、その人にどれだけ消化能力があるかを決めるのは消化酵素。
もっと消化をよくしたいと思ったら、まずケアするべきなのは消化酵素。
消化について考える時は、必ず消化酵素がポイントになります。
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