前回からの続きです。
授業で酵素の解説ビデオを見た時、世の中には2種類のイラストがあることに気づきました。
1つは、普通のイラスト。
もう一つは、目からウロコが落ちるイラストです。
酵素の「普通のイラスト」のよくある例としては、分子を加工して別の分子にする職人さんのパターン。これはこれで、悪くはないです。ただ、酵素について、何となく、ぼんやりと分かった気がするくらいでしょう。
目からウロコのイラストでは、酵素のいろいろな側面、特徴がまとめて理解できます。
「とりあえず、酵素の基礎は一通り分かった」
「分かっちゃたから、これからは酵素の話が出てきても怖くない。むしろ楽しみ」
……となります。
なぜ、そこまで理解が進むのかというと、酵素の働きのカギとなるポイントが描けているからです。かなりデフォルメされていますが、核心的な部分はリアルなイラストです。そうなると、このモデルを使って、いろいろなことが説明できます。
たとえば、補酵素。
ほくが学生の時に見たビデオでは、補酵素について、このように説明していました。
酵素の中には、補酵素を必要とするタイプとしないタイプがあります。
必要とするタイプの場合、酵素本体には分子AやBがすっぽりおさまるすき間がありません。
そこに補酵素がやってきて、酵素にカチリとはまると……アラ、不思議!
AとBがジャストフィットするすき間ができてるじゃないですか!
これで初めて、酵素が働ける「かたち」になります。
だから、補酵素は不可欠。とっても大切。
補酵素にはいろいろな種類がありますが、多くはビタミンです。
ですから、ビタミンはメチャクチャ大切!
同じビデオで、「薬品が働く仕組み」も説明されていました。
皆さ~ん、薬が効くメカニズムって、ご存じですか?
実は、薬品のほとんどは「酵素阻害剤」です。
頭痛とか高血圧とか、いろいろな症状がありますね。
どうすれば、その症状を抑えることができるのか?
突き詰めて調べていくと……たいていは、「ある酵素の働きを止めれば良い」と分かります。
そこで開発されるのが、酵素阻害剤として働く薬品。
分子AやBがおさまるはずのすき間を酵素阻害剤が埋めてしまうと、もう酵素は働けなくなってしまいます。
それ以外にも、同じイラストのモデルで、いろいろなことが「スパン!」と理解できました。
なぜ、1つの酵素は1つの化学反応だけを担当しているのか?
なぜ、加熱すると、酵素は働けなくなってしまうのか?
なぜ、酵素はpHの変化に敏感なのか?
もう、目からウロコがボロボロ落ちまくりでした!
その時の感動がきっかけとなって、ぼくのお仕事の柱の一つは、「目からウロコの落ちるイラスト」づくりになりました。次回からは、そんなイラストのいくつかをご紹介しましょう。
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