
人間関係の苦しみの根底には、「孤独感」があります。
一般的には、人は、多くの人と協調することで、「安心感」を感じます。
辛いときには、誰か、一人でも、「自分を分かってくれる人」の存在は、貴重です。
次に、苦しみは、「経済的なストレス」です。
この人生を、歩んでいくためには、「お金」は、必要不可欠です。
あまり物欲に走ることは、好ましくないですが、お金も、突き詰めれば、「安心感」につながっていませんか?
私は、1998年、父の会社が倒産して、一気にこの「経済的なストレス」を経験しました。
今から、24年前の出来事です。
この事件は、「人間関係のストレス」と、「経済的なストレス」の両方が、束になって、降りかかりました。
ちょうど、今から、24年前の2月26日が、X Day でした。
会社の倒産は、多くの人に迷惑をかけます。
昨日まで、味方だと思っていた取引先も、全員が、自分たちを攻めまくります。
「支払いができない」という現象は、相手側にとっても、死活問題であり、相手側も死に物狂いで、取り立ててきます。
この時、私は、副社長の立場でしたので、その責めを、真っ向から受けることになりました。
昨日まで、「ちやほや」されていた境遇から、一気に犯罪者扱いされるのは、極めて辛く、
殺人、窃盗、詐欺などの明らかな犯罪でもないのに、どのように対処してよいのか、
途方に暮れたことを、鮮明に覚えています。
最初に、やってきたのは、このような人間関係のストレス(人間不信)であり、その後、無一文になる、経済的な苦境を経験することになります。
手形取引が、通例の会社は、資金繰りができなくなると、倒産に追い込まれます。
この資金繰りというのが、世の社長さん方のストレスの根源です。
当時、本社ビルの9階から、窓の下の大通りを歩く人を眺めては、次のように思ったことを、記憶しています。
「世の中には、明日、数万円のお金がないと苦しんでいる人もいれば、数十万円のお金が必要だと思っている人もいるし、何億、何十億の資金繰りで苦しんでいる人もいる」
「それでも、金額には、関係なく、苦しみは、同じだろう」と・・・・
結果的に会社は、グループ含め、100億規模の倒産事件となりました。
自分や、取り巻きも含めて、それぞれの葛藤を詳しく話すと長くなりますが、辛いのは、物質的な喪失や、人間関係の喪失を経験したこと、それ自体も辛いですが、その後の展開が、想像がつかない、わからないという不安感が、最もつらいことでした。
「この先、どうなるかわからない?」
過去に経験したことがない展開だから、私たちは、不安になるのです。
さて、経済的なストレスを感じているとき、私は、真っ先に思うように心がけたのは、「命を取られるわけではないから・・・なんとかなる」というキーワードです。
この言葉を、よりどころにして、その後の人生を歩んできたといっても、過言ではありません。
ですから、私自身の経験を通じて、仏教の教えにある四苦「生老病死」に関わることが、究極のストレスと思っていたのかも知れません。
【次号に続く】
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