瞑想をして、脳波が、アルファ波、又はシータ波が刻まれるようになると、自律神経は、副交感神経が優位になります。
そして、思考力は衰えます。
その恩恵は、消化の促進、免疫機能への良い影響他、生理学的に好ましい状態になることは明らかになっています。
では、精神学的な側面には、どのような恩恵があるのでしょうか?
「人は、何故瞑想するのか?」「その本当の理由とは何か」
「なぜ瞑想(メディテーション)の習慣が大切なのか」を説明します。
誰かに「携帯電話を止めてください」「電源を切って、ベルが鳴らないようにしてください」と言われた時、それは簡単にできます。
しかし「思考を止めてください」と言われても、携帯の電源をOFFにするようにはいきません。
黙っていても、目覚めている時には、私たちの脳は、自然発生的、且つ自動的に、何かの思考(思いや、考えのパターン)を生み出しています。
しかし、それらの思考には、例外なく、感情と呼ばれる「情緒」が伴い、それが「引き金」として、あらゆる思考の根底にあるはずです。
その根を作り出すのが、「意識」です。
思考を花に例えれば、感情が根っこであり、意識が土壌とイメージしてください。
悪しき「意識の仕方」は、悪しき「感情」を芽生えさせ、その結果、悪しき「思考」の花を咲かせます。
これは、良くない傾向です。
その逆に、良き「意識の仕方」は、良き「感情」を芽生えさせて、その結果、良き「思考」の花を咲かせる。
このメカニズムが、誰にでもあります。
更に、私たち人間に備わったものとして、「思考だけでストレス反応」を起こすことが、できてしまうということです。
よく言われるように、「脳は、現実に起こっている出来事と、イメージの出来事を区別できない」
どちらのケースでも、あなたのストレス反応は起こり、生理学的には、悪しき影響を及ぼします。
トラウマ的な「記憶」を思い出して、その時の「感情」を再現してしまうからです。
「あの時のことを思い出したら、腹が立ってきた!」という経験がありませんか?
思考の力とは、良くも悪しくも、私たちの人生に大きな影響を与えていることは、明らかです。
思考に振り回されないことは、思考から一時的に遠ざかることを習慣化することしかありません。
胸の中心に意識(注意)を向けるといことは、「ただ漠然と感じていることに気づく」ことが、鍵になります。
正しい瞑想の精神的な恩恵とは、日常的な思考から離れて、適切な感情感覚(難しい表現になりますが・・・)になることで得られる内面からの気づきです。
そのためには、思考中心の瞑想から、感情に意識を向ける瞑想法に切り替える必要があります。
感情に意識を向ける瞑想法では、頭が主役でなく、ハート、胸の中心が主役です。
なぜなら、ハート、胸の中心に意識を向けている練習をしていると、一時的ですが、雑念、妄念という思考から、遠ざかることができるからです。
瞑想をする本当の理由は、日常的な(不適切な)思考の世界から離れることで、
自分は、どのように感じているのかという内面世界に、注意関心をもつことです。
その結果、「感情」と言う根っこの感じ方を意識することで、より健全なものになり、
適切な「思考」の花を咲かせることになります。
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